Photo : Soma Doi (STUH)
Edit & Text : Shin Kawase

PUMA MIJ(MADE IN JAPAN)
Special Feature 2022 Autumn
“SLIPSTREAM LO BEAST MIJ”

昨年1月、待望の復活を遂げたプーマが誇る最高峰モデル“MIJ”(MADE IN JAPAN)。匠の技を駆使した“MIJ”は、プーマファンのみならず、今やスニーカーファンの注目を集める人気シリーズとなった。2022年秋、MIJシリーズから「幻のモデル」と称される希少なモデルが編集部に届いた。

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SLIPSTREAM LO BEAST MIJ (2022)

PUMA BEAST LO RED FUR (2013)

編集部に届いたのは、1987年に誕生したバスケットボールシューズ、スリップストリームのライフスタイル仕様としてリリースされたレッド ファーの「ザ・ビースト ロウ」。ファッションの要素をスポーツシューズに取り入れ、当時は斬新で画期的すぎたため、日本での販売を見送られた幻のモデル。しかし、25周年(2013年)に待望の初復刻が実現したのだが、瞬間的にソールドアウトし、長らく待ちわびたプーマファンでさえ買えない人が続出した。あれから9年。そのレッド ファーが2度目の復刻を果たす。今なぜこのモデルを復刻させたのか?担当者を取材した。

About
SLIPSTREAM LO BEAST MIJ
Heisuke Nozaki (PUMA Japan K.K. / MARKETING)
Interview

野崎 兵輔 / プーマ ジャパン マーケティング
Heisuke Nozaki (PUMA Japan K.K. / MARKETING)

–––来年がザ・ビースト35周年。なぜ1年早いこのタイミングでのリリースに至ったのでしょうか?
おっしゃる通り、ザ・ビーストは来年が35周年なのですが、その前身モデルであるスリップストリームは1987年に誕生して今年が35周年なんです。なので、ザ・ビーストのレッド ファーをあえてスリップストリームを祝う周年での発売に至りました。

–––そうなのですね。レッド ファーについて野崎さんの個人的な思い出はありますか?
1990年代初めころ、原宿・とんちゃん通りの古着屋さんで見たんですけど、レジ下のガラスケースに入っていました。二十数万円の値札が付いていて、とても買える値段じゃなくて、眺めるだけでしたけど(苦笑)。レッド ファーは日本では未発売だったので雑誌「Boon」で幻のモデルとして紹介されていたんで知っていました。なので現物を見た時は本当に格好良くて、とにかく衝撃的でした。
赤の発色もすごくインパクトがあって今でも鮮明に覚えています。いつか履きたいとずっと思っていましたけど、結局縁がなく履くことが出来なかった、僕個人にとっても幻の一足ですね。パフォーマンスモデルのバスケットボールシューズを翌年にライフスタイル用に大胆にアレンジしたモデルになりますが、今では当たり前になっていますが、当時は画期的な出来事で、スポーツシューズをスニーカー(ファッションとしての)に生まれ変わらせる先駆けになったモデルだと思っています。

–––ザ・ビーストの復刻の歴史を教えてもらえますか?
2002年にグローバルで白い補強パーツのハイカットがリリースされて、数ヶ月後に黒い補強パーツのハイカットが発売されました。それから2003年に黒い補強パーツのローカットが出て終了しています。なのでグローバルでのレッド ファーの復刻はなかったんです。それから10年後の2013年、25周年のタイミングでTAKUMI(匠)シリーズで、ようやく初復刻が実現したんです。

PUMA BEAST LO RED FUR (2013)

–––そうでしたね。たしか限定150足だった記憶があります
はい。限定150足を日本国内の工場で作りました。個人的にも学生時代からずっと念願だったレッド ファーが履けると思って感慨深かったんです。だけど全国のお店からの反響が物凄く多くて、オーダーがすぐに150足を超えてしまいました。だからプーマジャパンのスタッフも誰一人購入出来なかったんですよ。ありがたいことなんですけど、やっと履けると思っていたので、本当に残念で。僕にとってはまた幻のモデルになってしまったんです(苦笑)。

–––そうだったんですね…。それでは2回目となる今回のモデルの特徴を教えてください
初復刻(2013年)と異なるのは、オリジナルを強く意識した復刻でなくて、スリップストリームのアニバーサリーイヤーモデルとして現代的にアップデートする形で作られています。象徴的なのは35周年を祝う意味でサイド部分の補強パーツにSLIPSTREAMロゴを入れている所ですね。初復刻モデルは、オリジナルを最大限に尊重した復刻だったのでブランクのままだったんです。ザ・ビーストのレッド ファーは来年が35周年なんですけど、あえて今年にリリースした大きな理由、意味はここにあるんです。

–––アッパーの素材も初復刻モデルと違いますか?
はい。今回はイタリア製の毛付きのレザーを使っています。ここ数年、毛付きのレザーが世界的に大変貴重になっているんですけど、その中でもイタリアが最高峰と言われています。上質な毛付きのレザーを採用することとブラックの補強パーツをマット(艶なし)な質感に仕上げることで赤の発色の良さが際立つ感じに仕上げています。毛の向きもオリジナルを踏襲して下向きにすることでフォームストリップや補強パーツ、ソールにも掛かっていて意図的にはみ出させて当時のままのワイルドな雰囲気を再現しています。

–––シューレースを通すDリングも変わっていますね
そうなんです。パッと見は分からないと思いますが、より長く履いて頂けるように、耐久性に優れた丈夫なDリングを採用しています。アウトソールも、路面との相性を考えて単色でよりグリップ力の高いものに変更しています。なので白い部分がなくなっていますが、地面をしっかり掴んでくれて滑りにくく歩きやすい仕様になっています。

–––2013年以来、待望の復刻となったレッド ファーをどんな方に履いて欲しいですか?
個人的にも買って履きたいんですけど(笑)、9年前に復刻した時は即売り切れになって買えなかった方が沢山いらっしゃいました。しかもメルカリや、リセールマーケットなどにも殆ど出てきていないんです。僕も個人的に欲しくてずっと探していたんですけど、結局今まで見付けられていません。それだけ購入された方が大切に履き続けている証拠だと思うので、前回買えなくて悔しい思いをされた方にぜひ今回は買って履いて頂きたいと思っています。

–––販売店舗を教えてください
上野のミタスニーカーズさん、新宿のビームスジャパンさん、静岡・藤枝のマグフォリアさん、原宿のキックスラボさん、GR8(グレイト)さん、大阪はボストンクラブさん、福岡のアップタウンさん、全国展開しているビリーズさん、アンディフィーテッドさん、エービーシー・マート グランドステージさんなどで7月16日(土)から販売される予定になっています。もちろん、直営店であるプーマストア原宿、プーマストア大阪、プーマオンラインストアでも販売されます。※プーマオンラインストアは予約で完売

–––今後リリース予定を教えてください(スリップストリーム35周年で)
秋にザ・ビーストで、もうひとタイプをリリースする予定になっています。こちらも思い入れがある方が多いモデルなのでプーマファン、スニーカーファンの方には楽しみにして頂ければと思っています。

SLIPSTREAM LO BEAST MIJ (2022)
¥35,200

2022 Autumn Collection
SLIPSTREAM LO RETRO & WEEKEND

特集したレッド ファー、スリップストリーム ロウ ビースト MIJ以外にも秋冬コレクションからスリップストリーム ロウ レトロの新色と1970年代に販売されていたレジャー用シューズ、ウィークエンドがリリースされる。

SLIPSTREAM LO RETRO
2022 Autumn Collection

SLIPSTREAM LO RETRO
Puma White
¥11,000(9月中旬発売予定)

1987年に誕生したバスケットボールシューズ、スリップストリーム。本モデルのスリップストリーム ロウ レトロは、ステッチ、SLIPSTREAMのロゴグラフィック、ソールなど、ヘリテージに忠実でありながら、現代のトレンドに合わせて復刻。2022年秋のニューカラーは当時のレトロなカレッジカラーにインスパイア。1980年代のオリジナルをよりクリーンでミニマルにアップデートしながら、機能面でもより快適な履き心地を追求。見た目も機能も現代風にリスタイリングされた一足となっている。

SLIPSTREAM LO RETRO
Puma White / Intense Red
¥11,000(9月中旬発売予定)

About SLIPSTREAM
スリップストリームは、1987年に誕生したバスケットボールシューズでパフォーマンス性の高さから、多くのバスケットボールプレーヤーに愛された名作。ファーストモデルは、ホワイトをベースにチャコールグレーを差し色にしたシンプルなカラーリング、当時最新鋭のクッショニングテクノロジーであった“ANTI SHOCK SYSTEM”(アンチ ショック システム)を搭載。安定性、クッション性に優れた画期的なシューズであった。この時期から、バスケットボールシューズのタウンユース化が進み、翌年にはカラーバリエーションとして“THE BEAST”(ザ・ビースト)や“SLIPSTREAM SNAKE”(スリップストリーム スネーク)など、今なお語り継がれる歴史的傑作が誕生した。また、ヒップホップ、ダンスクルーにも支持され、ストリートでも人気を博し、オリジナルを探す根強いファンが未だに存在するプーマを代表する一足となっている。

WEEKEND
2022 Autumn Collection

WEEKEND OG
CHESTNUT
¥19,800(9月下旬発売予定)

ウィークエンドは、名前が示す通り、週末に履く靴として1970年代に販売されていたレジャー用シューズ。1970年代当時、ヨーロッパでは革靴の文化があるため、スポーツ時以外のスポーツブランドシューズを着用する考え方、概念が存在していなかった。そこでスポーツ以外のレジャー時に履いてもらえるシューズとして企画開発したのがウィークエンドだった。プーマがスポーツブランドとしてのブランディングを極力排除し、アッパーサイドにあるべきフォームストリップを外し、ブラウンにガムソールという極めてシンプルなレジャーシューズが誕生したのだ。2022年、約半世紀の時を経て初復刻を果たした。

WEEKEND OG
HARBOR MIST
¥19,800(9月下旬発売予定)

GV SPECIAL
2022 Autumn Collection

GV SPECIAL KL
PUMA WHITE
¥19,800(7月30日発売)

1977年にアルゼンチンのギレルモ・ヴィラスが4大大会である全仏、全米大会で優勝し本格的に火が付いたしたプーマテニスカテゴリー。そのギレルモ・ヴィラスのシグネチャーモデルが本モデルの「GVスペシャル」。独特なシルエットでシンプルながら存在感があり、40年以上愛され続けるプーマテニスカテゴリーの名品。本モデルは、アッパー素材に貴重なカンガルーレザーを使用し、インソール、ライニング(足入れ部分)、シュータン裏にも天然皮革を使用することで、柔らかな質感と上質な足当たりが抜群な一足に仕上がっている。

GV SPECIAL KL
PUMA BLACK
¥19,800(7月30日発売)

INFORMATION
プーマ お客様サービス
0120-125-150
www.puma.com

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