Text : Masahiro Minai (Runners Pulse)
Photo : Daiki Suzuki (STUH)
Edit & Text : Shin Kawase
HOKA ONE ONE
“PROJECT CARBON X”
Running Event Report
カーボン エックスを履いたランナーが
記録更新を目指したランニングイベント、
「プロジェクト カーボンエックス」
“PROJECT CARBON X” was held,
May 4, 2019 in Folsom, a suburb of
Sacramento, California, USA.
カリフォルニア州の州都サクラメント郊外の街フォルサム。この湖畔のリゾート地で、現地時間5月4日(土)に行われたのが、100kmマラソンの世界記録に挑戦するイベント「プロジェクトカーボンエックス」。参加ランナー全員がカーボン エックスを履き、それぞれのランナーに専属のペースメーカー(カーボン エックス着用)が並走することで、記録達成をサポートした。
100kmマラソン世界選手権王者である日本の山内英昭、2018年に「ウエスタンステーツ エンデュランスラン」と「ソノマ湖50マイル」の両方でコース記録を樹立し、3年連続で「ウルトラ ランニング マガジン」が選ぶ「ウルトラランナー・オブ・ザ・イヤー」を受賞したジム・ウォームズレイを始めとして、日本から髙田由基、兼松藍子、アメリカからパトリック・レーガン、マイク・ウォーディアン、タイラー・アンドリュース、サブリナ・リトルが参加した。
序盤から激走するジム・ウォームズレイと3位で追いかける山内英昭
序盤はジム・ウォームズレイとタイラー・アンドリュースがリードし、山内英昭が3番手に付けるという展開。上位3選手の50km通過は、去年のサロマで記録された6時間9分14秒という世界記録の更新が期待できるタイム。アメリカン川エリアの周回コースを選手が走るようになってしばらくすると気温は上昇。日差しもかなり強くなった。
アメリカの選手が大半を占める中、日本から参戦した兼松藍子と髙田由基
最終的に気温が30℃ほどまで上がったために、選手たちは暑さに苦しめられ、100kmの世界記録こそマークされなかったが、山内英昭が6時間19分54秒でゴール。
悪条件にもかかわらず自己記録に1分32秒遅れるだけの好記録。2位のパトリック・レーガン選手も6時間33分50秒でゴールし、自己記録を更新するなど、参加した選手すべてが着用したカーボン エックスのパフォーマンス性能の高さを証明することに成功した。ジム・ウォームズレイは4番目のゴールとなったが、4時間50分08秒の50マイル通過タイムの世界記録を更新している。
男子
1位 山内英昭(日本)6時間19分54秒
2位 パトリック・レーガン(アメリカ)6時間33分50秒
3位 髙田由基(日本)6時間52分03秒
4位 ジム・ウォームズレイ(アメリカ)7時間05分24秒
5位 マイク・ウォーディアン(アメリカ)7時間29分12秒
棄権 タイラー・アンドリュース(アメリカ)
女子
1位 サブリナ・リトル(アメリカ)7時間49分28秒
棄権 兼松藍子(日本)
参加ランナーに聞いた
ホカ オネオネ カーボン エックスの魅力とは?
山内英昭選手
これまでウルトラマラソンで履いていたシューズは、薄手で固い履き心地でしたので、それと比較するとフワフワしたクッション性を感じることができました。脚の保護性が高いので、ゴールした後の脚部の痛みは従来よりも明らかに少なかったです。また着地安定性、推進力も高いシューズですね。
髙田由基選手
カーボン エックスは、高い推進力を感じられるシューズで、特に上りでアシストしてくれることを感じました。今回のコースでは、かなり傾斜のある坂もあったので、本当に助かりましたね。レース翌日の疲労感が、これまでになく少ないことに驚きました。
兼松藍子選手
足を入れたときから履き心地のよさは感じていましたが、30km過ぎの周回コースに入ってからより一層足に馴染んできて、さらに走りやすくなりました。今回は熱中症のためにリタイアしましたが、レース後にラップを確認してみると、あまり落ちていない。シューズのおかげで脚力は残っていたようです。
We went to Santa Barbara, where HOKA ONE ONE headquarters is located.
HOKA ONE ONE is in the Deckers Company
5月にカリフォルニア州フォルサムで開催されたランニングイベント「プロジェクト カーボンエックス」で50マイルランニング(約80.5km)の世界記録が樹立された。その時にジム・ウォームズレイ選手が着用していたのがホカ オネオネの最新ランニングシューズ、カーボン エックス。ファンランナー向けのイメージが強かったホカ オネオネが本格的なアスリート向けのシューズを開発したのだ。この記録は世界中のランナーとランニング関係者に衝撃を与え、ホカ オネオネの第2ステージの幕開けを予感させた。我々編集部は、この歴史的瞬間を目の当たりし、興奮冷めやらぬ間にホカ オネオネ本社があるサンタバーバラに飛んだ。
Text : Masahiro Minai
Photo : Daiki Suzuki
Edit & Text : Shin kawase
HOKA ONE ONE
Present and future
HOKA ONE ONE
Vice President / GM Global Marketing & Sales
LEE COX
Interview
リー・コックス
ホカ オネオネ グローバルマーケティング・セールス担当副社長
あくまでパフォーマンスブランドとして
第一に機能性を強化していきます
ボンダイ、クリフトンを始めとしたホカ オネオネのロードランニングモデルは、その機能性の高さが評価されて、ボストンマラソン、ニューヨークシティマラソン、ベルリンマラソンといった著名なロードレースでも着用率が急速に上昇しています。いつかはこういったメジャーなランニングイベントをスポンサーできるようになりたいですね。現在は、トライアスロンの最高峰イベントのひとつである、ハワイ島で行われるアイアンマン コナ、カリフォルニア州のモントレーで行われるビッグ サー インターナショナルマラソンといったイベントをサポートしていますが、これらは参加者からの評判もよいので、今後も継続していくつもりです。来年は東京オリンピックが行われますが、現在、ホカ オネオネを着用したランナーが各国の予選を勝ち抜いて檜舞台に立てるよう、選手のサポートに全力を注いでいます。私たちのブランドは、現在ワールドワイドでファッションシーンにおいても人気となっていますが、あくまでパフォーマンスブランドであり、この部分をファーストプライオリティに考えています。しかしながら使用してくれるのはエリートアスリートに限らず、一般アスリートも多いので、見た目やデザイン、カラーリングは、そういったランナーの好みを取り入れることも忘れていません。ホカ オネオネはスポーツブランドとして、これまで通りにプロダクトの機能性向上を第一に考えていきますが、現在、エンジニアド ガーメンツとのコラボレーションが好評なように、スタイリッシュな製品展開も並行して行っていきます。また、ホカ オネオネ以外にテバやアグを展開するデッカーズでは、サステナビリティ(持続可能)を重要視していて、リサイクルマテリアルの使用比率を拡大することなどによって、ユーザーの満足度を高めるのと同時に地球環境の保護にも考慮しています。ホカ オネオネもこの流れにフォローしていくようになるでしょう。今後のホカ オネオネの展開にご期待ください。
About
HOKA ONE ONE
New Model
“CARBON X”
我々が新たに開発したカーボン エックスは、
ホカ オネオネが誇る最新テクノロジーを
一足に結集したプロダクト
HOKA ONE ONE
Design Director
MATTHEW HEAD
Interview
マシュー・ヘッド
ホカ オネオネ デザイン ディレクター
我々が新たに開発したカーボン エックスは、ホカ オネオネが誇る最新テクノロジーを一足に結集したプロダクトです。ソールユニットに内蔵されたカーボンファイバープレート、進化したメタロッカー構造が、従来にないレベルの推進力を提供してくれます。メタロッカー構造は、そのゆりかご状の形状によって着地から蹴り出しまでのスムーズな動きを実現してきましたが、カーボンファイバープレートをアウトソール寄りに配置することで、これまで以上に足の動きとしっかりと連動するようになり、推進力を増すことを可能にしました。また、このカーボンファイバープレートを搭載することで、これまでのホカ オネオネのシューズよりもメタロッカー構造の形状を、長くキープすることができる効果もあります。カーボン エックスは、100kmマラソンと50マイルの世界記録を目指した「プロジェクト カーボンエックス」において、すべてのランナーが着用したように、トップアスリートに対応するプロダクトですが、エリートだけでなく、フルマラソンでいえばサブ3.5、サブ4レベルのランナーでも履きこなすことが可能で、幅広い層のランナーが、自身の持っているパフォーマンスを最大限発揮できるシューズとして開発しました。カーボン エックスに採用されている、スピードとクッションを両立する“PROFLY™X”(プロフライ X)を用いたソールユニットは耐久性もキープしており、カーボン エックスを履いて長距離練習で走り込んで、レースに出走しても問題ありません。またEVO カーボンロケットとの違いを聞かれますが、前述のように、カーボン エックスが全く新しい機能を一足に結集して、フルマラソン以上の距離を走るのに向くのに対し、EVO カーボンロケットのほうは既存のホカ オネオネのテクノロジーを応用し、フルマラソン以下の5kmや10km、ハーフマラソンのような距離に適しているというように、それぞれ異なったコンセプトで開発されています。
INFORMATION
デッカーズジャパン
0120-710-844
www.hokaoneone.jp