Photo : Soma Doi (STUH)
Interviewer& Edit & Text : Shin Kawase
Product Text : Fumihito Kouzu
ASICS SportStyle
About GEL-SONOMA 15-50
& 2022 S/S Best Selection
2021年の先シーズン、衝撃緩衝材のαGEL(アルファゲル)が35周年を迎え、当時を忠実に再現したGT-Ⅱが復刻されるなど、改めてGELテクノロジーに注目が集まったアシックススポーツスタイル。今シーズンの注力モデルとしてゲルソノマ15-50が編集部に届いた。そのモデルとは、アシックスが培ってきたテクノロジーがハイブリッドされた新しいプロダクトだった。その詳細を知るために担当者を取材した。(インタビュー取材:2022年2月)
GEL-SONOMA 15-50
About GEL-SONOMA 15-50
Yoshihiro Goshono (ASICS)
Interview
御所野 良紘 / アシックス
–––まず2022年春夏のシーズンテーマとメーンモデルを教えてください
コンセプトは、“Better Connection”(ベターコネクション)。自然との繋がり、人との繋がり、色んな繋がりがグローバルのモノ作りのテーマになっています。長引くコロナ渦において、外に出たいマインドは強くなり、アウトドア、キャンプ熱はすごいものがある。最近では東京だけじゃなく、ヨーロッパの一部でもトレイルシューズを街で履く人が増えて、当然、山やキャンプでも需要が高まっているという話を聞いています。2022年春夏で一番の主軸になるのが「自然との繋がり」というテーマに一番分かりやすく繋がっている“GEL-SONOMA 15-50”(ゲルソノマ フィフティーン-フィフティー)になります。
–––ゲルソノマついて教えてもらえますか?
ゲルソノマは、2014年にリリースされたトレイルランニングシューズでヨーロッパを中心に展開していたので日本国内では馴染みが薄いと思います。日本国内だと、ゲルベンチャーやゲルトラブーコなどが主軸になるので、アシックスのトレイルカテゴリーの中でも割とニッチなモデルになるかも知れません。
–––なぜそのゲルソノマをメーンモデルに?
ゲルソノマはエントリーモデル(初心者向け)で、本格的なトレイルシューズとしての機能に特化し過ぎず、ライフスタイル用に汎用性を持たせやすいポジションです。さらに全体的なシルエットのバランスも良く、デザイン面でも現代にフィットする感じがあった。あくまでもライフスタイル用なので、あまりスペックを沢山載せてしまうと本格的なトレイルシューズの見え方になってしまいますし、丁度いい具合だったんです。ゲルソノマはハイスペックではないけれど、軽量性、クッション性のふたつの機能性のバランスが良いので、街履きに適しているんじゃないかと思って選びました。
–––メーンモデルとなるゲルソノマ 15-50について教えてください
2014年にリリースされたトレイルランニングシューズのエントリーモデル(初心者向け)、初代ゲルソノマのアウトソールを使用して、15-50(フィフティーン-フィフティー)というクロスカントリー用スパイクのアッパーを載せた、トレイルとクロスカントリーのハイブリッドモデルのスポーツスタイルシューズになります。
アウトソールのツーリング機能としては、FLYTEFOAM™ PROPELという軽量性もあり、クッション性、反発性もある素材をミッドソールに使っているので、見た目の割にはものすごく軽いです。さらに跳ね返るようなクッション性を感じてもらえる。ここが汎用性の中でも結構重要なポイントなのかなって思っています。あと、AHARPLUS™というラバーを踵部分に使っていて、通常のラバーよりも耐摩耗、減摩耗に強い素材なので、ソールが減りにくいです。ラギッドな意匠のアウトソールはアシックスの対活性試験をクリアしているので、しっかり地面をつかむような滑りにくさもあると思います。
–––アッパーの特徴は?
クロスカントリーは、すごい荒れ地を走ったり、水たまりも行ったりする激しいスポーツなので、まず水が入ってそのまま抜ける通気性がすごく重要なため、メッシュの穴が大きいです。パフォーマンスシューズとほぼ同じ大きさになっていて、薄さだけはライフスタイル向けにオープンメッシュに変えています。あと、特徴的な所でいうと、シューレースを締めると、包み込むようにその人の足の甲の所に沿って紐と連動して足全体がキュッと締まります。このサポート性はクロスカントリーシューズならではの特徴ですね。
–––カラーリングについて教えてください
今回のテーマがベターコネクションで「自然との繋がり」がポイントになるので、クロスカントリー、トレイルで行く山から見た自然の景色がカラーに落とされています。メインカラーは夏の空をイメージしてブルーがメインの配色になっています。
GEL-SONOMA 15-50 / LAKE DRIVE / TARMAC
¥12,100
GEL-SONOMA 15-50 / WOOD CREPE / CREAM
¥12,100
GEL-SONOMA 15-50 / LICHEN GREEN / DRIED LEAF GREEN
¥12,100
–––作り手としてどんな人にゲルソノマ 15-50を履いて欲しいですか?
街履きでもいいですが、簡単な山歩きなど、両方で使えるので、ぜひこの機会にお試し頂ければうれしいです。あと今回はアシックススポーツスタイルということでファッションの一部として提案していますけど、アシックスが今まで培ってきたテクノロジーが沢山詰まっているので、そこも一緒に感じてもらえたらと思います。
–––ゲルソノマ 15-50の主な展開店舗を教えてください
主要なスニーカーショップをはじめ、ユナイテッドアローズさんなどのセレクトショップでも展開する予定になっています。もちろん、アシックスの直営店、オンラインストアでも展開します。発売は、5月20日(金)の予定です。
GEL-SONOMA 15-50
GEL-NIMBUS 9 / WHITE / LAKE DRIVE
¥16,500
–––あともうひとつの注力モデル、ゲルニンバス 9についても教えてください
ゲルニンバスは、1993年に長距離用ランニングシューズとして誕生したゲルカヤノ同様に、アシックスのレジェンドモデルのひとつとして重要視されているパフォーマンスランニングシューズになります。NIMBUSの名前はラテン語の「雲」を意味する言葉です。雲の上を走るようなイメージをコンセプトに、クッショニングカテゴリーの頂点に位置付けされるシリーズとして1999年に誕生しました。ゲルニンバスは、初代が登場してから毎年アップデートされていて、パフォーマンスランニングは今年で24代目がリリースされる予定なっていています。それに合わせて、ライフスタイルカテゴリーであるアシックススポーツスタイルからも2007年にリリースされた9代目モデルを発売します。
–––ゲルニンバス 9の特徴と言えば?
特徴はやっぱりなんといっても、GELの量ですね。ゲルカヤノは、比較的後ろだけにGELがあるのが特徴なのですが、ゲルニンバスは、よりナチュラルな柔らかさを出すために前にも後ろにもボリュームのあるGELを搭載しているのが最大の特徴ですね。とにかくクッションと反発性に優れていて、街履きとしては高いレベルの履き心地だと思います。こちらもスニーカーショップ、セレクトショップでも販売される予定ですので、2007年当時のパフォーマンスランニングの最高峰モデルを普段履きとして味わって頂きたいです。
GEL-NIMBUS 9 / LICHEN GREEN/DRIED LEAF GREEN, WOOD CREPE/CREAM
¥16,500
Extra Question
About ASICS SportStyle
–––御所野さんがアシックススポーツスタイルを手掛けるにあたって一番大切にしていることとは?
プロダクトを通してコンシューマーのライフスタイルを豊かにする、というブランドの使命があります。色んなブランドさんがありますけど、その中でアシックスだからできること、アシックスしかできないこと、アシックスだからこそやる意味のあるものを追求すること。それはデザインひとつにしてもそうですけど、パフォーマンスから生まれた技術、履き心地の良さがブランドとして最も重要視しているポイントになります。なので、アシックスの持てる力を分かりやすく発揮して、プロダクトに落とし込んでいくっていうことを一番大切に考えています。
–––あらためて、他ブランドにはない「アシックススポーツスタイルの魅力」とは何でしょうか?
アシックスのパフォーマンスカテゴリーから生まれたものをライフスタイルに落とし込むのがアシックススポーツスタイル。会社に歴史があるので、まだまだアーカイブが未知数にあって、提案できるモデルが沢山ある。一方でパフォーマンスは日進月歩で新しいイノベーションが生まれているので、それをリアルタイムでスポーツスタイルに持って来ても面白い。アシックススポーツ工学研究所から生み出され、進歩し続ける技術、パフォーマンスっていう武器もありながら、蓄積されるアーカイブもあって、色々な年代のモデルをハイブリッドしてまた新たなものを作り出すこともできる。それがアシックススポーツスタイルの魅力じゃないかと思います。
ASICS SportStyle
2022 Spring / Summer Best Selection
アシックススポーツスタイルの春の新作は、ゲルソノマ フィフティーン-フィフティーとゲルニンバス 9だけでなく、魅力的なプロダクト、コラボレーションモデルのリリースが予定されている。
GEL-PTG MT / WHITE / BLACK
GEL-PTG / WHITE/BLACK,WHITE / WHITE
GEL-PTG、GEL-PTG MTは、1983年に発売されたファブレ ポイントゲッター Sをベースにしたライフスタイルシューズ。踵部にfuzeGELテクノロジーを搭載し、クッション性を強化。インナーソールはよりソフトな足入れ感を感じられるものにアップデートしている。クラシックなオリジナルのデザインを踏襲しながら、現代のタウンユースにマッチした機能性を備えたシューズに仕上げられた。GEL-PTG MT 14,850円、GEL-PTG 14,300円(6月3日発売予定)
GEL-LYTE Ⅲ OG / COTTON CANDY / ROSE PETAL, WOOD CREPE / BROWN STORM
1990年に誕生したゲルライト Ⅲは、三ツ井滋之氏がデザインを担当したモデル。スプリットタンと呼ばれる、大きく2分割されたシュータンは、シューズの足へのフィットを高めながら着用時にタンの部分がずれにくくなるようにと考案されたものだ。今回のコレクションは、日本の冬から春への移り変わりをイメージしたカラーと素材を採用している。15,400円
ASICS SportStyle × atmos × SNEAKER FREAKER
GEL-LYTE III OG
今作は、スニーカー雑誌「SNEAKER FREAKER」の拠点であるオーストラリアのメルボルンと、東京に共通するものとして、Alley Cats(野良猫)がコンセプトとなった。猫の体毛を意識したカラーリングとマテリアル、ネオン街を表現したパープルとグリーンを組み合わせ、光る眼を蓄光で表現している。またパープルは、「SNEAKER FREAKER」のアイコンカラーである赤とatmosの青を混ぜたカラーでもある。¥18,700円(6月中発売予定)
atmos BLUE Omotesando
東京都渋谷区神宮前4-29-4 Barbizon78
03-6438-9445
www.atmos-tokyo.com
※αGELは株式会社タイカの登録商標です
INFORMATION
アシックスジャパンお客様相談室
0120-068-806
https://www.asics.com/jp/ja-jp/mk/sportstyle