Photo: Kazumasa Takeuchi(STUH)
Edit & Text : Shin Kawase
“PANTHER JOGGING MAGIC”
Chapter II from Resurrection
Panther is Made in Japan
Since 1964
カジュアルスニーカーブランドとして、2016年に生まれ変わって復活を果たしたパンサー。すべて国内生産にこだわる姿勢も評価され、スニーカーマーケットにおいてある一定のポジションを築いた。昨シーズンより、今までとは一線を画すパンサージョギングが話題を呼んだ。2019年の今、新生パンサーの第2弾がリリースされている。
PANTHER JOGGING MAGIC
BEIGE / NAVY
¥16,000+tax
“PANTHER JOGGING MAGIC”
BIRTH SECRET STORY
本誌とウェブスペシャルでも紹介したが、新生パンサーを誕生させたのは、ミタスニーカーズの国井栄之氏である。彼のたっての希望でパンサージョギングは38年の時を経て復刻され、現代に甦った。しかし、もっとも彼が復活させたかったのはこの第2弾モデルだったのだ。昨シーズン取材したインタビュー記事を抜粋して、改めて紹介する。
New Face “PANTHER JOGGING”
by Shigeyuki Kunii(mita sneakers)
Interview
2年前のパンサーアーカイブルームで
「次は自分が履きたいパンサーを」と思ったんです。
–––今回のモデルはどんな経緯で誕生したのですか?
2年位前、別件のミーティングで会社に伺った時、たまたまアーカイブルームにオリジナルが置いてあったんです。そのモデルに目が留まっちゃって…。本来の案件もそこそこにパンサー ジョギングの話で盛り上がってしまいました。その時初めて「次のフェーズは自分が履きたいパンサーをお願いしよう」と思ったんです。パンサーの立ち上げからフィードバックに関わらせてもらっていたので、過去の再生と現代の機能を融合した逸足、というテーマで次の構想を伝えました。
PANTHER JOGGING MAGIC
NAVY
ようやく自分自身が履きたいパンサーが
リリースしたなと思ってます
–––それがこのベルクロだったんですね
はい。僕が子供の頃に見たようなフィッティングの構造っていうか、システムを使っていて、これがいいんです。 多分、海外のブランドとかだと、単純にマジックテープだけなんですけど。そのフィッティングのシステムの作り方にすごく日本らしさが詰まっていて。パンサーのアーカイブルームで見て衝撃を受けたのがベルクロだったんです。ボリュームがあるので、季節的には秋口にかけて足元に持ってきたほうがスタイリングにフィットするだろうということで、リリースのタイミングを逆に遅らせた感じです。
–––「自分が履きたいパンサー」が完成したんですね
言い方としては合ってるのか分からないですけど、ようやく自分自身が履きたいパンサーがリリースしたなと思ってます。今までリリースしたモデルも、もちろん履いてましたけど着用頻度は他のシューズに比べるとやっぱり低かったりしたので。どうしてもスタイル的に、僕のスタイルだとちょっと難しい部分もあった。でも、今回のモデルに関しては、シルエット的にも機能的にもデイリーユースで履ける一足になりました。
PANTHER JOGGING MAGIC
BEIGE
“PANTHER JOGGING”
by Shigeyuki Kunii(mita sneakers)
Interview
PANTHER JOGGING (1981)
PANTHER JOGGING (2019)
–––パンサー ジョギングのコンセプトを教えてください
コンセプトとしては、ただの復刻ではないこと。シルエットはオリジナルを保ちながらも、現代版の機能性を持ち合わせたパンサーです。今までパンサーが機能的なことを語れるのって、実際にはインソール位しかなかったんです。その他にも縫製の技術の高さなど胸を張って謳える部分はあったんですけど。今作は、オリジナルを彷彿とさせる時代のデザインや醸し出す雰囲気を可能な限り表現しつつ、ツーリングに関しては軽量性とクッション性を高次元で融合させて、ライフスタイルの中で実用的に作用する機能を兼ね備えたつもりです。テクニカルな素材を駆使しながら現代版の構造で作り直しています。
–––一番こだわっている所はどこですか?
ソールユニットに尽きますね。アッパーのパターンは往年のシルエットを再現するために、3回以上やり直して出来上がっているんですけど、ソールに関しては、本当に何回もミーティングを重ねました。最終的にはソールの設計にまで直しを入れて、自分でもウエアリングテストでずっと履いて試して…。当時のソールの形状であるE.V.A.の削り出しから発泡の成型に変更しながらも、着地、接地時の安定性を高めてくれるハの字型のソール形状を保持しました。当時の機能デザインを生かしながら、素材や製法に関しては現代的な方法でリノベートすることで、見た目はすごいクラシカルだけど、履き心地はコンフォータブルになりました。アップデートするからって見た目が別物になり過ぎちゃうのは、個人的にあまり好きじゃないけど、履き心地だけはいいに越したことはないので。企画から完成まで2年位かかっています。
–––最後に国井さんが思うパンサーの魅力って何ですか?
世界的に効率化が求められる世の中で、その逆を行ってるとこですかね。非効率が故の賜物っていうか。今回の商品に関しても、アッパーの縫製やソールユニットとの圧着など日本の工場で行なっているんです。日本ブランドとしてのモノ作りにおいてクオリティにブレがない。例えば、アッパーに使われているマテリアルの供給元や、生産全てを他のアジアに移管してコストを下げ、利益率を上げようとか。パンサーのスタッフは、そんなことは一切除外して、国内の工場を行ったり来たりして、ひとつひとつ全部納得いくまでやっているんです。例えば、アッパーの細かいパターンを何ミリ変更したからって極端な話、売り上げに大きく左右するかっていうと、しないと思うんですよね。でも、作っているスタッフは細かい所までこだわって一生懸命やっている。極めて非効率なブランドなんですけど、靴に血が通っているんです。そこが魅力なのだと思います。
PANTHER JOGGING
COBALT BLUE, WHITE
¥16,000+tax
BLACK, PURPLE, YELLOW
¥16,000+tax
New Type
PANTHER GT DELUXE LE (1970)
サイドパネルの補強パーツが象徴的なパンサーのアイコンモデル、パンサー GT デラックスにレザータイプが新登場。ドッグイヤーと呼ばれるヒールタブを設置してアキレス腱を保護し、スムーズな足入れをサポート。オリジナルモデルの普遍的なディテールを可能な限り忠実に再現しながら、インソールにオーソライト社製のフットベッドを使用し、コンフォート性・通気性・防臭性の全てに優れた一足。当時を懐かしむファンに加えて、昔のパンサーを知らない若い世代からも支持を集めている。
YELLOW
¥17,000+tax(12月発売予定)
ALL BLACK
¥17,000+tax(12月発売予定)
Regular Model
PANTHER GT DELUXE (1970)
ALL BLACK, OFF WHITE, BEIGE
¥15,000+tax
NAVY, GREEN
¥15,000+tax
Regular Model
PANTHER DERA (1968)
1968年に誕生した、アッパーのナイロン素材とサイドパネルの補強パーツが象徴的なパンサーのアイコンモデル。パンサー GT デラックスと同様の機能がある上に、軽量性や耐摩耗性に優れたスポンジソールを採用したトレーニングシューズの名作。パンサーのヘリテージモデルに対する強い想いを職人の高い技術が具現化し、新たな価値を創造している。
ENJI, NAVY
¥13,000+tax
WHITE, COBALT BLUE
¥13,000+tax
INFORMATION
世界長ユニオン
0120-419-265
https://secu.tokyo/