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Photo : Kazumasa Takeuchi (STUH)
Text : Fumihito Kouzu
Edit : Shin Kawase
KIHACHIRO ONITSUKA 100th ANNIVERSARY
Stand With the Sun
~鬼塚喜八郎が描きたかった未来~
アシックスの創業者である鬼塚喜八郎は、1949年にアシックスの前身となる鬼塚株式会社を設立。「健全な身体に健全な精神があれかし」という創業理念のもと、アスリート、そしてスポーツを楽しむ人々に向け、数々のイノベイティブなシューズを世に送り出した。2018年は、鬼塚喜八郎の生誕100周年にあたるアニバーサリーイヤー。氏の誕生日である5月29日(火)にそれを記念した限定モデルが発売。そして5月30日(水)〜6月4日(月)には、伊勢丹新宿店本館7F=催物場で「Kihachiro Onitsuka 生誕100周年 by ASICS 〜鬼塚喜八郎が描きたかった未来〜」と題したポップアップイベントが開催される。
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鬼塚喜八郎の生誕100周年を記念した限定モデルは、シューズ3型、アパレル2型で構成されている。シューズに関してはアシックス、オニツカタイガー、アシックスタイガーから1モデルずつがピックアップされているが、3ブランドを横断し共通のデザインコンセプトでシューズが作られるのは、今回のような特別な機会でしかないだろう。デザインのモチーフになっているのは、鬼塚喜八郎が生前に描いたヒマワリの絵。フィンセント・ファン・ゴッホの作品を愛し、自らも好んでヒマワリの油絵を描いた氏。現在もオニツカ資料室には、未完のヒマワリの絵画が飾られているという。鬼塚喜八郎の前向きな人柄とパイオニア精神、ヒマワリが太陽に向かって伸びるように人々が明るい未来に踏み出す手助けをしたいという心情を表したヒマワリにインスパイアされたコレクションは必見だ。
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オフィシャル画像
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Anima Sana in Corpore Sano=ASICS
健全なる身体に
健全なる精神が宿れかし
鬼塚喜八郎
限定モデルのシューズボックスには、ヒマワリの絵がプリントされ、アシックス、オニツカタイガー、アシックスタイガーの3ブランドのロゴが入れられている。そして「健全なる身体に健全な精神が宿れかし」というメッセージが書かれたカードが入られている。これは古代ローマの詩人、デキムス・ユニウス・ユウェナリスの詩の一節を日本語訳したもので、アシックスのブランド名の由来でもある。「健全なる身体に健全な精神が宿れかし」の原文は、Mens Sana in Corpore Sanoというもの。このMens(才知、精神)をAnima(生命)に置き換えたAnima Sana in Corpore Sanoの各単語の頭文字を並べ、ASICSという名になったのだ。シューズボックス、メッセージカードからも鬼塚喜八郎の想いを噛み締めたい。
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KIHACHIRO ONITSUKA CENTENNIAL PROJECT
GEL-QUANTUM 360 KO100(左)
GEL-MAI KO100(中)
TIGER CORSAIR KO100(右)
アシックスからはゲルクォンタム 360 KO100(¥20,000+tax)、アシックスタイガーからはゲルマイ KO100(¥16,000+tax)、オニツカタイガーからはタイガーコルセア KO 100(¥13,000+tax)がラインナップ。鬼塚喜八郎の生誕年に合わせ、世界1918足限定となる。また鬼塚喜八郎から受け継いだ理念の恩恵が社員や顧客を超え、多くの人々に行き渡るようにと、1商品の販売ごとに10ドルが国際NPO「Right to Play」に寄付される。(スポーツプログラムを提供するこのNPOから、レバノンで暮らすシリア難民の子どもたちへ、10週間プログラムに参加するために充てられる)
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GEL-QUANTUM 360 KO100
ベースモデルはアシックスのゲル クォンタム 360 シリーズ。ソール周囲部分に360度搭載されたゲルは、クッション性を高めているだけでなく、個性的かつ存在感のあるデザインに一役買っている。かかと部分に、グラフィカルに表現したヒマワリのデザインを採用。モダンな印象に仕上げられている。
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About GEL-QUANTUM 360
「かつてないクッション性」をオンセプトに開発されたアシックスのゲル クォンタム360。モデル名に入れられた360が示す通り、ソールユニットの周囲を沿うように、ぐるりと360度、衝撃緩衝材のゲルが搭載されている。着地時の衝撃を効率よく緩衝できるよう、ゲルの大きさや形状が場所によって異なっているのも特徴だ。またミッドソールには樹脂製のプレートを搭載することで、シューズな過度なねじれを抑制し、安定した足運びをサポートしてくれる。アッパーには足を優しく包み込むニット素材が採用されている。
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GEL-MAI KO100
アシックスタイガーからベースモデルとしてピックアップされたのは、ご存知ゲルマイ。ヒマワリをイメージした鮮やかなマルチカラーがメッシュとスウェード素材のアッパーに落とし込まれている。ゲルマイ KO100のミッドソールには、アシックスが独自に開発したスポンジ材、fuzeGEL(フューズゲル)を搭載。クッション性の高さも魅力となっている。
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About GEL-MAI
1990年代後半にリリースされたゲルマイ。当時の開発者が医療関係者にヒアリングを行った時に、血行障害をなくすには静脈と神経を押さえないようにすることが重要(足の内甲側に静脈が集中している)という話を聞き、アシンメトリックなデザインを採用し、ハトメを外側にふったのだという。2017年SSシーズンに、オリジナルよりもスマートなシルエットを採用して復刻された際には大きな話題に。昨年後半には、ゴアテックス採用モデル、ニットアッパーモデルなどのバリエーションがリリースされ、スニーカーシーンを賑わせた。
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TIGER CORSAIR KO100
エポックメイキングなジョギングシューズ、タイガー コルセアをベースにしたタイガー コルセアKO100。ヒマワリの絵を大胆にアッパーにプリントし、その仕上がりはアート作品のよう。厚みのあるEVA製のミッドソールとクッション性の高さを特徴とし、履き心地は快適。名作が名作たる所以を感じられるシューズだ。
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About CORSAIR
1975年にジョギング用シューズとしてアメリカで発売されたタイガー コルセア。既存のランニングシューズのクッション性不足の解消を目的に開発されたモデルで、当時としては珍しかった厚みのあるミッドソールが大きな特徴となっている。1970年代にアメリカで始まり、後に日本へと広がっていったジョギングブームを牽引したモデルとされている。その後に続いて生まれたジョギング用シューズの原点的な存在でもあり、誕生から40年以上が経過した今でも世界中のシューズファンから高く評価されている逸品。
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KIHACHIRO ONITSUKA CENTENNIAL PROJECT
Capsule Collection
3足のシューズとともにアパレルもカプセルコレクションにラインナップされている。ホールガーメント SS T(¥16,500+tax)は、植物由来の糸であるリヨセルとコットンを採用。また染色をしない生成り色を採用することで、染色時の水の使用量を少なくし、環境への負荷が少なくしている。ジャージーパンツ(¥12,500+tax)は、ポリエステル100%。アシックス、アシックスタイガー、オニツカタイガーのブランドロゴが並んだデザインは貴重なものだと言えるだろう。
「子供たちはヒマワリであり、
スポーツはそこに命を与える水である。
太陽がその明るい未来を照らし続ける。」
鬼塚喜八郎
INFORMATION
アシックス(アシックスジャパンお客様相談室)
0120-068-806
KO100特設サイト
https://www.asics.com/jp/ja-jp/ko100