Photo : Osamu Matsuo
Text & Edit : Issey Enomoto
JAPANESE
BRANDS #01
ASICS
Part 3_Archive Hall of ASICS
歴代の名作たちが眠る、
アシックスのアーカイブホールへ。
創業以来、アスリートの様々なニーズに応え、数多くの革新的なスポーツシューズを生み出してきたアシックス。神戸市中央区の本社内に設けられたアーカイブホールには、歴代の名作シューズたちが大切に保管されている。
ASICS Archive Hall
JAPANESE
BRANDS #01
ASICS
アシックス本社内のアーカイブルーム。昨今のスニーカーシーンを賑わせているアシックス スポーツスタイルの原点はここにある。
なぜアシックスはこのような空間を設けているのか。その狙いとは。アーカイブホールを管理する榧野俊一に聞いた。
榧野 「このアーカイブホールは、アシックスの製品、ブランド、広告、スポーツマーケティングの歴史を振り返るための空間として2016年に設立しました。本社内にはスポーツミュージアムという施設もあり、そちらは一般に開放していますが、このアーカイブホールは社員限定です。設立の目的は、アシックスの歴史を社員に正しく伝えていくこと。かつて、過去のアーカイブは社内のあちこちに散らばっていましたが、これではいけないと考え、バラバラになっていたものを一箇所に集めたんです。集めたアーカイブは、カテゴリーや時系列で分類して展示しています」
ここを訪れる社員のなかには、スポーツスタイルの企画、デザイン、開発に関わるメンバーも少なくないという。歴代の名作たちは、過去のモデルを復刻する際の参考になるばかりでなく、新しいモノを生み出すうえでのインスピレーションにもなっているそうだ。
アシックスの歴史は、
日本のスポーツシューズの歴史そのもの。
そんなアーカイブホールに、このたび、『アトモス』の小島奉文が足を踏み入れた。スニーカーを愛し、アシックスをよく知る小島にとって、ここはいわば宝の山。「ここに来るのは2回目ですが、何度来てもわくわくする」と目を輝かせる。
アーカイブルームを管理する榧野俊一(写真左)と、『アトモス』の小島奉文。「ゲルカヤノ」シリーズの名前の由来にもなっている榧野氏は、長きにわたってアシックスの歴史を見てきた同社の生き字引的存在。
小島 「貴重なアーカイブがこれだけの規模でまとまっているのは、本当にすごいこと。アシックスの歴史の重みを感じます。日本のスポーツシューズの歴史そのものといっても過言ではないですよね」
小島が特に高い関心を示したのは、2000年代のランニングシューズ。壁一面に並べられた一足一足を食い入るように見つめていた。
小島奉文 / アトモス クリエイティブディレクター&メンズシニアディレクター。1981年生まれ。2000年、テクストトレーディング(現フットロッカーアトモスジャパン)入社。バイヤーやディレクターなどを経て現職。『アトモス』の運営統括やバイイングを手掛ける。
小島 「最近はY2Kトレンドの流れで2000年代のランニングシューズの復刻版やアレンジバージョンが人気ですが、アシックスの当時のオリジナルが一堂に会する空間は、世界でもおそらくここだけ。アシックスに先見の明があったのか、はたまた時代がようやく追いついたのか。ともあれ、どのシューズも輝いて見えますね。デザインの変遷も興味深く、ずっと眺めていても飽きません。自分にとっていい刺激になりましたし、今後コラボレーションや別注を手掛けるうえでのインスピレーションになりそうです」
My Favorites
小島奉文が選ぶ「マイベストアシックス」。
アシックスのスニーカーのなかで、 小島が特に気に入っているモデルとは? 数ある私物のなかから5足を厳選してもらった。
1. ASICS GEL-VENTURE 6 G-TX atmos(2020)
2. ASICS TIGER x atmos GEL-LYTE III “GREEN CAMO”(2017)
3. ASICS x atmos x Sean Wotherspoon GEL-LYTE III OG SW(2020)
4. ASICS GEL-KAYANO 14 atmos Undermycar(2023)
5. ASICS x atmos GEL-INST.360(2018)
1.「アッパーにゴアテックスを採用。カラーリングは都市部の道路標識からインスパイアされたものです。 発売当時から好んで履いていた1足で、いまも大事に持っています」 2.「ゲルライトIIIのコラボモデルの なかでも特に気に入っている迷彩シリーズ。ゲルライトIIIは来年35周年を迎えるということで楽しみで す」 3.「アトモス20周年を記念してショーン・ウェザースプーンと共作。ショーンが住むLAとアトモスの 拠点である東京の情景や建造物から着想を得た配色が気に入っています」 4.「Undermycar をサード パーティーに迎えたスペシャルモデル。履きやすさはもちろん、このカラーリングが気に入っていて、ここ 最近ヘビロテしています」 5.「アトモスでイチから企画したオリジナルモデル。実は、当時はセールスが 振るいませんでした。むしろいまがタイミングかも。またこうしたオリジナルモデルをつくってみたいですね」
※本記事は、『SHOES MASTER』Vol.41(2024年3月29日発行)の特集記事を再編集したものです。
取材協力:アシックスジャパン株式会社
INFORMATION
アシックスジャパン カスタマーサポート部
0120-068-806
www.asics.com