Photo : Kazumasa Takeuchi(STUH)
Edit & Text : Shin Kawase

For a sustainable future
Better things in a better way
Allbirds

サステイナブルなモノづくりを模索し続け、その答えを次々と具現化しているサステイナブルライフスタイルブランド“Allbirds”(オールバーズ)。2016年の誕生から早くも注目のブランドへと成長し、新たな時代を感じさせるシンプルでナチュラルなデザインながら、ハイスペックなシューズとして世界各国で話題となっている。その新作モデルとブランドのバックボーンを紹介する。

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Wool Dasher Mizzle
Meteorite

オールバーズから雨の日でも快適さをサポートする新ランニングシューズ、ウールダッシャーミズルが登場。ウールダッシャーミズルは、オールバーズ初となるランニングシューズのツリーダッシャーをアップデートさせ、ウールアッパーを水からガードするシールド加工を施したもの。ツリーダッシャーといえば、アメリカ合衆国のニュース雑誌、TIME誌の選ぶ「ベストイノベーション2020」を受賞した今話題のランニングシューズ。

本モデルは、環境や人体への影響が懸念されているフッ素化合物を使用することなく、オールバーズが開発したバイオベースの撥水加工を施した新素材パドルガード®を採用。肌に触れるシューズの内側部分のソフトな感触はそのままに、外側は水を防ぎながら、ウールならではの通気性の良さでドライな履き心地をキープしてくれる。さらにFSC®認証の天然ゴムを使用したアウトソールが地面をしっかりとグリップし、あらゆる天候でも快適な走りを実現してくれる。4色展開。1万7500円

 

Wool Dasher Mizzle
Meteorite
¥17,500

Wool Dasher Mizzle
Nova & Kotare Nigtht
¥17,500

Wool Dasher Mizzle
Natural Black
¥17,500

Wool Dasher Mizzle-MID
Natural Black
¥18,500

ウールダッシャーミズルのミッドカットバージョン。ローカットバージョンとは異なり、足首をしっかりとホールドする絶妙なフィット感が特徴。シャープでスタイリッシュな佇まいでランニングはもちろん、タウンユースとしても重宝する一足。2色展開。1万8500円

Wool Dasher Mizzle-MID
Mist
¥18,500

Wool Runner Fluff
White

オールバーズの定番モデルであるウールランナーからニューモデルが登場。ウールランナーは、軽くて柔らかく、クッション性に優れ快適な履き心地を提供してくれるだけでなく、ウールダッシャーミズルと同様に環境によい天然素材や再生素材だけを使って作られるコンフォートシューズ。写真上は、ウールランナー誕生5周年を記念して、柔らかいZQメリノウールを表地にも裏地にもあしらったスペシャルモデル。1万2500円

Wool Runner Cherry Blossom

これからの季節にピッタリな「桜」にちなんだウールランナー限定カラー、チェリーブロッサム。両モデルとも風通しが良く、気候がよければ素足で履きたい。オールバーズのシューズはすべて快適で、洗濯機で丸ごと洗えるのもうれしい。写真下は2021年スプリングコレクションで追加されたウールランナーのニューカラー。1万2500円

Wool Runner
Ironbark

Tree Runner
Kaikoura

オールバーズ初のランニングシューズであるツリーランナーのニューカラー。他のモデルと同様、すべてに自然由来と再生素材を使用し、優れたフィット感のアッパーや、クッション性と反発性を兼ね備えたソールなど、快適に走るための機能が充実。耐久性と通気性に優れたユーカリの繊維を使用し、カジュアルシューズのような温かみのある質感が特徴的で、一般的なスポーツブランドのシューズとは一線を画す一足。1万2500円

Allbirds 原宿
東京都渋谷区神宮前1-14-34
原宿神宮の森ビル1階
0800-080-4054 
11:00 – 19:00

オールバーズは、天然素材から作られたナチュラルなシューズとして、ブランド背景が注目されがちだが、履き心地についても絶対的な自信を持っている。その現れとして、シューズを購入後30日以内であれば、理由に関わらず返品が可能なのだ。実際に履いて気に入らなければ、返してもらっていいですよと。百聞は一見に如かず。洗濯機で洗えて、さらに「世界で最も快適なシューズ」と評されるオールバーズのシューズをぜひ一度試してみることをお勧めする。

 

For a sustainable future
Better things in a better way
About Allbirds Sustainability

元サッカーニュージーランド代表のティム・ブラウンと、バイオテクノロジーの専門家であるジョーイ・ズウィリンジャーの2人によって、2016年にサンフランシスコで誕生したオールバーズ。スタートして5年足らずにも関わらず、持続可能な環境に配慮したモノ作りが評価され、世界中の多くの人々から共感を呼んでいる。そのオールバーズのサステイナビリティへの取り組みを紹介する。

創業者のティム・ブラウン(左)とジョーイ・ズウィリンジャー(右)

 

For a sustainable future

オールバーズは、元サッカーニュージーランド代表のティム・ブラウンが「なぜ、持続可能な素材が靴産業に存在しないのか?」と、疑問を抱いたことからすべてが始まっている。ニュージーランドのメリノウールに着目していたティムはバイオテクノロジーの専門家であるジョーイ・ズウィリンジャーと手を組み、靴用に特別に作られた革新的なウール素材を開発することに成功。「まだ、ゼロじゃないけど、ゼロにできるはず。」をスローガンに掲げ、再生ポリエステルやユーカリ繊維、サトウキビ由来の素材の使用など、カーボンフットプリント排出量を抑えるといった様々な取り組みを実施している。

Tim Brown in New Zealand.

再生ポリエステルとユーカリ繊維

サトウキビ由来の素材

「測る、減らす、オフセットする」

オールバーズは「測る、減らす、オフセットする」と題して、製品を作るために排出されたカーボンフットプリント(温室効果ガス)をゼロにすることを目標に、その数値がゼロになるまで、すべてのシューズに表示し続けることを発表している。「測る」は、製品の素材から廃棄に至るまでのカーボンフットプリント排出量を測定。「減らす」は、天然素材やリサイクル素材などを取り入れて環境への負担を軽減。「オフセットする」は、カーボンフットプリントをオフセットして、カーボンニュートラルを達成する。オールバーズが考える究極のゴールは、カーボンフットプリントの排出をゼロにすることである。

カーボンフットプリント

 

For a sustainable future
About Material

オールバーズのシューズは、主に自然から得たウール、ツリー、シュガーの素材を使って作られている。ウールは通気性、温度調節機能に優れているニュージーランドの最高品質のメリノウールで、人の髪のたった5分の1の太さでチクチクせず柔らかな手触りが特徴。ツリーはシルクのように風通しが良く、肌触りも抜群なユーカリの木。シュガーは、雨水のみで育てているブラジル産のサトウキビ。すべては自然からの贈り物で構成されている。そのためオールバーズのシューズは、派手なロゴはなく、不要な装飾物も一切ない、究極にシンプルなデザインなのだ。

About Material
WOOL

 

About Material
TREE

 

About Material
SUGAR

 

Better things, better ways

オールバーズは、自分たちの使命として「より良いものを、より良い方法で」極めて謙虚に靴作りを行っている。しかし、現代の靴産業では利益を最優先させるため、自然由来の素材よりも、安価な合成素材が好まれる傾向にある。持続可能な未来は、どこかの誰か変えてくれる訳でない。我々ひとりひとりの意識と行動にかかっている。

ニュージーランド
ニュージーランドには、人口の6倍の羊がいて、羊毛からシューズを作ると、
従来の合成素材で作るより、エネルギー消費を60%削減することが可能。

リサイクルボトル
ペットボトル1本から、オールバーズのシューレース2本を作ることができる。

ヒマシ油
ヒマシ油は、奇跡の油と呼ばれ、インソールのクッション性を向上してくれるまさに潤滑油。

ユーカリ
ユーカリの木の素材は、シルクのように風通しが良く、肌触りも抜群。

バイオTPU
オールバーズのシューズで使用されている金具部品は「砂糖を食べる
ユニークな微生物が作る有機TPU」からできている。

サトウキビ
ブラジル南部で調達されるサトウキビは、灌漑(かんがい)を必要とせず、雨水のみで
育てられている。サトウキビから素材を作ると、バイオマスが抽出され、来年の収穫の
ために畑を肥やすことが可能になり、CO2削減を実現できる。ソールに搭載されている
世界初のカーボンネガティブなグリーンEVAの SweetFoam™(スイートフォーム)は、
このサトウキビから生まれている。

INFORMATION
Allbirds 原宿
0800-080-4054 
allbirds.jp

 

編集後記
シーズンを重ねるごとに、各メーカーのサステナブル(持続可能)への意識が加速度的に進んでいる。その中で、今回取材したオールバーズの取り組みに特に感銘を受けた。なぜなら、一貫して地球に優しく、目標や計画が明確で、それを徹底して実行しているからだ。オールバーズはスタートから5年足らずにも関わらず、世界中の多くの人から共感を呼んでいる事実にも納得できる。サステナブルであることが特別ではない未来へ。人類をあげて達成しなければならない大使命は、もう待ったなしの状況である。持続可能な未来は、どこかの誰かが用意してくれる訳ではない。我々ひとりひとりの意識と行動にかかっている。
SHOES MASTER発行人
河瀬 真

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