Photo : Masataka Nakada (STUH)
Edit & Text : Issey Enomoto
ASICS SportStyle
special pop-up event
in Paris
アシックスがパリで開催した
スペシャルなポップアップイベント
アシックスのライフスタイルカテゴリーであるアシックス スポーツスタイルは、2023年6月22日から24日までの3日間、フランス・パリでポップアップイベントを開催。2023AWの新作「GT-2160」をフィーチャーし、同モデルをベースにしたコラボレーションスニーカーの発表および先行限定販売をおこなった。近年のスニーカーシーンにおいて急速に存在感を高めつつあるアシックスの新作は、いったいどのようなものなのか。そして日本のブランドであるアシックスはパリおよびヨーロッパの人々の目にどう映っているのか。現地で取材した。
パリで発表された4つのコラボレーションモデル
今回のポップアップの会場は、パリのなかでも高感度なショップが集積するマレ地区の『ドーバー ストリート リトル マーケット』が入る瀟洒なタウンハウス。会期は6月22日から24日までの3日間。2024年春夏メンズファッションウィークの開催期間中でもあり、パリの街全体が多くのファッション関係者で賑わっていた。
当ポップアップでフィーチャーされた「GT-2160」は2023秋冬の新作。2000年代初頭から2010年代のアシックス スポーツスタイルのテクノロジーが反映され、ランニングシューズの名作「GT」シリーズのシルエットを継承しながらアップデートが加えられている。
会場内にはコラボレーションスニーカーの新作4モデルが、それぞれのコラボレーターによるインスタレーションとともに展示された。
ASICS SportStyle「GT-2160×Dime」
スケートボードカルチャーをルーツに持つカナダ・モントリオール発のブランド、Dime(ダイム)とのコラボレーションモデルは「GT-2160」をベースに、ホワイトを基調にグレーやクリームを織り交ぜてクリーンで都会的な雰囲気にアレンジ。ヒール側面およびシュータンにはDimeのロゴがあしらわれている。
ASICS SportStyle「GT-2160 × Cecilie Bahnsen」
デンマーク・コペンハーゲン発のブランド、Cecilie Bahnsen(セシリー バンセン)とのコラボレーションモデルは「GT-2160」をベースにフェミニンなアプローチでアレンジ。アッパーには半透明の花柄のテキスタイルが用いられているほか、花をモチーフにしたストラップがデザインに華を添える。両者によるコラボレーションは2022年に続き今回で2回目。会場に展示されたイメージビジュアルはフォトグラファーのホンマタカシ氏によるもので、撮影は東京でおこなわれたという。
ASICS SportStyle「GT-2160 Crafts for Mind by AIREI」
アメリカ・ロサンゼルス発のブランド、AIREI(アイレイ)によるコンセプトモデルは、「GT-2160」をベースにしながらアッパー全体を石膏で大胆に覆い、モノづくりの姿勢やブランドの世界観をコンセプチュアルに表現。クラフトマンシップを支援するアシックスのCrafts for Mindプログラムの一環として50足限定で制作された。
ASICS SportStyle「GEL-1130 × HAL STUDIOS」
オーストラリアを拠点に活動するクリエイティブスタジオ、HAL STUDIOS(ハル スタジオス)とのコラボレーションモデル。2008年に登場した「GEL-1130」をベースに、glacier(氷河)をモチーフにしたアレンジが加えられている。
なお、「AIREI」を除くこれら3モデルはこのポップアップで先行限定販売された後、順次日本を含むグローバルで展開される。また、新作「GT-2160」は2023年7月よりインラインモデルの発売が予定されている。
Dimeの主要メンバーに聞く、コラボレーションへの思い。
ポップアップの会場でDimeの主要メンバーをキャッチ。今回のコラボレーションに込めた思いやアシックスのイメージについて聞いてみた。
左:フィル・ラヴォイジャー / Dime チーフブランドオフィサー
右:ヴィンセント・チャン / Dime チーフデザインオフィサー
「これまで様々なブランドとコラボレーションをおこなってきましたが、アシックスとタッグを組むのは今回が初めて。制作のプロセスにおいて印象的だったのは、デザインの制約が少なく、自由度が高かったこと。アシックスとのやり取りはとても楽しくエキサイティングなものでした」(フィル・ラヴォイジャー)
「今回のコラボレーションにおいて意識したのは、ベースのモデル『GT-2160』のフラットなデザインを生かしつつ、誰もが履きやすいシューズにすること。そこでホワイト、グレー、クリームといったベーシックなカラーをミックスし、ニュートラルな配色に仕上げました。日本のブランドであるアシックスは品質が高いイメージ。私自身テニスをやっていて、テニスシューズでその優れた信頼性を実感しています」(ヴィンセント・チャン)
オープン前日、会場は異常な盛り上がり!
ポップアップ開催前日の6月21日にはレセプションイベントがおこなわれた。19時頃に会場を訪れると、そこはあふれんばかりの人、人、人。実際にはあふれんばかりどころか、多くの来場者が会場に収まり切らず、路上にあふれ出てしまっていたほど。
建物の中庭にはDJブースが設置され、けたたましい爆音が鳴り響く。会場は音楽にあわせて踊る人たちですし詰め状態となり、興奮の坩堝と化していた。
フランスでは毎年夏至の日は「音楽の日」として制定され、朝から晩まで、あらゆるジャンルの音楽を、あらゆる場所で披露することが許される。それがまさにこの日であり、このような街の中心部で爆音を鳴らしても咎められることはない。この日はここに限らず、ストリートの至るところでさまざまなジャンルの楽曲が大音量で鳴り響き、パリの街全体が音楽に包まれていた。
ブランドとしての勢いを肌で感じる。
レセプションイベントの来場者の足元を見渡すと、大半の人がアシックスのスニーカーを着用。それも日本で見るよりお洒落に、スマートに履きこなしている印象を受けた。
そして翌6月22日、ポップアップがスタート。建物の外には長蛇の列ができていた。
強い雨が降り続くあいにくの天候にも関わらず、列はどんどん長くなっていく。その数はざっと100人以上。レセプションイベントの盛り上がりやオープン前の行列は、現地におけるアシックスの勢いを示すひとつの証左といえるかもしれない。
『SHOES MASTER』本誌の次号(Vol.40 / 2023年9月29日発売号)では、今回のポップアップでフィーチャーされた「GT-2160」の詳細のほか、ヨーロッパの主要スニーカーショップのキーマンへのインタビューなどを通じて、スニーカーカルチャーにおけるアシックスの魅力をより深く掘り下げる。そちらもお見逃しなく。
INFORMATION
アシックスジャパンお客様相談室
Tel.0120-068-806
https://www.asics.com/jp/ja-jp/mk/sportstyle