Photo : Masataka Nakada (STUH)
Interviewer & Edit & Text : Shin Kawase
About CONVERSE Collaboration Model
FUMITO GANRYU & Rok Hwang &
Miho Takase (CONVERSE JAPAN)
Interview
コンバース2022年秋冬コレクションから、ファッションブランド2ブランドとのコラボレーションモデルが編集部に届いた。各ブランド共にスペシャルなプロダクトに仕上がった力作だった。その詳細を知るために、デザイナーである“FUMITO GANRYU”(フミト ガンリュウ)の丸龍文人氏と“rokh”(ロク)のロク・ファン氏、コンバースジャパンのコラボレーションモデル開発責任者の3名を取材した。
About CONVERSE
FUMITO GANRYU
Interview
丸龍文人 / フミト ガンリュウ
–––初めて履いたコンバースのことを教えてください
おそらく中学に上がり始めて本物を履いたと思います。それまではずっと偽物?を履いていたので(苦笑)。モデルは黒のオールスターでした。兄の影響で、ファッションに関しては結構早熟だったと思います。幼い頃から高校までスケボーをやっていて、地元の福岡にあったスケーターのショップで服やスニーカーを買うことが多かったですね。ただ、スケートをしているとすぐ傷んだりするので、スケートには激しい動きに適したシューズを履き、オールスターは、スケート以外のシーンで大切に履いてました。オールスターは当時、若い自分にとっては高価でしたので。
–––今回のベースモデルを選んだ理由を教えてください
中高時代、スケート以外にバスケットボールもやっていたので、それらのシューズが持つ特性を生かし、ファッション感度の高い、いわゆるアスレジャー志向の方に向けたシューズを作りたいと思いました。OGと比較して2倍に誇張されたパッド分量を持つシュータンにより得られる、心地良くも適度な圧力によって中で足先がしっかりと安定するので、毎回シューレースを解かずとも着脱がスリッポンのように容易となる設計の靴は、自分が履いてみたいと思いましたし、どんなプロダクトにおいても常にユーザー目線を大切にしています。1990年代前半に発売されたERX 260は、まだ一度も復刻されたことがないですし、OGモデルもなかったのですが、当時のカタログを観て自分から、「絶対このモデルがいい」とお伝えさせていただきました。
FUMITO GANRYU × CONVERSE Vol.2
ERX 260 EW OX / FG
About FUMITO GANRYU × CONVERSE Vol.2
Miho Takase (CONVERSE JAPAN)
Interview
高瀬美穂 / コンバースジャパン
–––コラボレーションすることになった経緯を教えてください
社内でもフミト ガンリュウさんの服を着ているスタッフがとても多くて、丸龍さんが作る美しいパターンのパンツとコンバースって、すごく相性がいいとずっと思っていたんです。ユニークなデザインもありながら、美しいパターン技術も持ち合わせていらっしゃるフミト ガンリュウさんとコンバースでいつかコラボレーションできたらなと漠然と思っていました。そしたらちょうどお声掛けができるタイミングがあって。丸龍さん自身もブラックモノクローム、オールブラックのオールスターをよく履かれているっていう話をされていて、すぐに快く引き受けていただいたっていう経緯です。
–––今年の3月にリリースされた第1弾モデルはすごかったですね
コンバースオフィシャルECサイトでは、即完売でした。そしたらガンリュウさんの卸先(ショップ)もすぐに完売。すごい反響でしたね。あと、雑誌『Pen』の表紙を飾ったことでインパクトがある見せ方もでき、より分かりやすく幅広い方に知っていただけました。即完売してしまったので買えない方が多くいらっしゃったのは残念でしたけど。
–––そしていよいよ第2弾モデルですね。このベースモデルを選考した理由を教えてください
丸龍さんからコレクションで展開する中で「洋服とのバランスがいいもの」を選びたいと希望があったんです。今シーズンの丸龍さんのコレクションでは、ボリュームがあるクラシックなシェブロン&スターシリーズ(バスケットボール)がいいかなとご提案を受け、昔のカタログから1990年代初頭にリリースされていたバスケットボールシューズ“ERX 260”(イーアールエックス 260)がいいってことになったんです。シェブロン&スターシリーズは、我々も色んなアプローチをしていきたい特別なカテゴリーなので、即、第2弾モデルとして企画がスタートしました。
–––今回、製作過程で一番苦労した所は?
オリジナル探しですね。今まで1度も復刻したことがないモデルで、さらに現物の持ち合わせがなくて…。とにかく、色んな手段を使って昔のデッドストックを探したり、ヴィンテージスニーカー専門店に問い合わせたりと、とにかくベースモデル探しがひと苦労でした。でも結局なくて、唯一あったのがカタログの画像のみだったんです(苦笑)。それを短い開発期間の中でどう製品化できるかが課題でした。また世界中が厳しいコロナ禍の中だったので、試作期間や素材の入手などスケジュールが本当に大変でしたね。そういった意味では、第2弾モデルには色んな苦労が詰まっています。
–––どんな人に履いて欲しいですか?
このコラボレーションをきっかけに、スニーカーフリークだけではなくて、ファッションフリークの方々にも履いていただきたいですね。コンバースにはオールスターやジャックパーセル以外にも、こんなモデルがあることを知ってほしい。丸龍さんは考え抜かれて服と足元の全体のバランスを計算されていますので、今のファッションにもマッチしやすい一足になったと思います。
–––主な展開店舗を教えてください
コンバースのシューズの直営店ホワイトアトリエ バイ コンバース、オフィシャルECと、ガンリュウさんのお洋服を扱っている取扱店舗さまでの展開となり、11月11日(金)発売になります。
FUMITO GANRYU × CONVERSE Vol.2
ERX 260 EW OX / FG
¥29,700(11月11日(金)発売)
rokh × CONVERSE ADDICT
CHUCK TAYLOR LEATHER PLTS ROKH HI
About rokh × CONVERSE ADDICT
Rok Hwang
Interview
ロク・ファン / ロク
–––ロクさんが想うコンバースの一番の魅力とは何でしょうか?
コンバースは単なるブランドではなく、世界中の誰にとっても普遍的な存在であると同時に、私にとっても思い入れや愛着があります。中でもどんなスタイルや個性も受け入れてくれるハイカットのチャックテイラーは、幼い頃から履いてきた馴染み深いシューズです。
–––コラボレーションモデルで一番こだわっている所は?
私自身が子供の頃、90年代に初めてチャックテイラーに出会った時のように自由で純粋なイマジネーションで、デザインを再構築しました。また色や素材にもこだわっており、ホワイトやグレーのパーツを異なる素材やトーンで落とし込むことで、自然に日焼けしたような柔らかな表情やノスタルジックな魅力を表現しました。
rokh × CONVERSE ADDICT
CHUCK TAYLOR LEATHER PLTS ROKH HI
¥41,800(12月10日(土)発売)
About rokh × CONVERSE ADDICT
高瀬美穂 / コンバースジャパン
–––コンバース アディクトで(以下アディクト)コラボレーションすることになった経緯を教えてください
2018年のアディクト10周年を機に、今後は王道のチャックテイラー、ジャックパーセルだけでなく、めずらしい復刻とか今までにない新しいモデルなど、新たな取り組みにチャレンジしたいと考えていたんです。ちょうどその時にロンドンを拠点に展開されているファッションブランド“rokh”(ロク)の存在を知りました。ロクさんの服ってクラシックな要素をすごく大事にしながらも、コンセプチュアルアートのような美しいパターンでデザイン性が高く、一見、着る時に気負ってしまうようなものが多いんです。だけど実際に着てしまうと、不思議にしっくりきて、どんなワードローブにも合う不思議な魅力があるんですよね。クラシックなアディクトをベースに、ロクさんの持ち味であるコンセプチュアルアート的なユニークな発想を足したら「新しいチャックテイラーが生まれるんじゃないか?」と思ってお声掛けしました。どう転ぶか分からないけど挑戦してみたくなったんです。
–––ベースモデルとそのベースモデルを選考した理由は?
ベースモデルは、アディクトで一番多く採用されている1960年代のチャックテイラーのハイカットです。コンバースの歴史の中でもチャックテイラーは、1980年代後半から1990年代にかけてニーハイとか、ベルクロタイプとか、色々なバリエーションを広げていって現代に至っています。今回は「新しいチャックテイラー」がテーマなので、あえてアディクトの王道である1960年代のチャックテイラーを選びました。
–––コラボレーションモデルのコンセプトと特徴を教えてください
ロクさん側から「厚底が作りたい」と言われたのが始まりで、私自身も厚底タイプを作れたら面白いなと思っていた時期だったので、即決して「チャックテイラーの厚底」の開発がスタートしました。いかにアディクトらしく、クラシックなチャックテイラーの雰囲気を崩さないで厚底にするかと、その構造が課題になりました。色々と試行錯誤を繰り返していく中でひらめいたのが、ソールを単純にもう1個くっ付けたらクラシックな雰囲気を崩さず厚底のチャックテイラーになる。ダブルバーガーみたいに(笑)。シンプルに足すっていうアイデアでデザイン画を描いてみると、意外としっくりくるし、これ面白いかもねということになったんです。そこにロクさんのノスタルジックなデザインを加えて。デザイン画まではスムーズに行ったんですけど、実際に製作に入ると大変でした。普通にソールを2段にしようとすると、接地面に向かって、ソールが広がらずに絞っていくんです。ハイヒールもそうだと思うんですけど、単純に重ねていくと2段目が小さく見えてしまう。そうすると尻すぼみなソールになってボリューム感が出ない。あくまで1段目と2段目が同じ幅で尻すぼみにならないようにフォクシングテープを巻くなどアイデアを出し合い工場のスタッフと何度も試作を作って同じ幅になるように調整していきました。
–––製作過程で一番苦労した所は?
シューズの重さですね。アディクトらしさのある厚底デザインにしたく、ソールの1段目と2段目が同じ幅になるようにフォクシングテープを巻いてソールを厚くする分、重量が出てしまって…。重たくなった分を少しでも軽くするために、ミッドソールは軽い素材のPU素材を使って、必要なところは空洞にしたりして、さらに軽量化を図っていく作業が一番大変でしたね。試行錯誤の結果、シルエットやデザインはキープしつつファーストサンプルよりも軽くなりました。
–––どんな人に履いて欲しいですか?
アディクトファンの方に履いていただきたいはもちろんですが、今回は新しい挑戦をしているので、若い世代の方に履いていただけたら嬉しいですね。1990年代後半から2000年代にオールスターのソールにソールを足して、プラットフォームにするリメイクが流行ってたんです。今、若い世代の方は1990年代のファッションをすごく新鮮に捉えているので、そういった歴史も感じながら、あらためてアディクトの魅力が伝えられたらなと思ってます。
–––主な展開店舗を教えてください
コンバースのシューズの直営店ホワイトアトリエ バイ コンバース原宿店の2階とコンバース アディクト取り扱い店舗、ロクのブランドを扱っているショップで一部取り扱う予定になっています。12月10日(土)発売です。
CONVERSE ADDICT
2022 HOLIDAY COLLECTION
CONVERSE ADDICT × N.HOOLYWOOD COMPILE&
CHUCK TAYLOR® CANVAS HI/OX
コンバース アディクト。ヘリテージモデルのルックスとハイスペックな機能を搭載したコンバース究極のシューズライン。今シーンは、ロクとのコラボレーションモデルの他にも2モデルがリリースされている。N.ハリウッド コンパイルとのコラボレーションモデルは、「スタンダードなアイテムの中に、違和感を与えたい」というデザイナーの尾花大輔氏の意向を汲んだ意欲作のローカットバージョン。もうひとつは、コンバース アディクトのホリデーモデル、チャックテイラーキャンバスのシーズナルカラーが登場している。
CONVERSE ADDICT
CHUCK TAYLOR® SUEDE NH OX
¥27,500
CONVERSE ADDICT
CHUCK TAYLOR® CANVAS HI
¥18,700
CHUCK TAYLOR® CANVAS OX
¥18,700
CONVERSE
2022 FALL / WINTER
BEST SELECTION
進化し続けるコンバースの
2022年秋冬最新ラインアップ
誕生から1世紀以上も愛されるタイムレスなブランド、コンバース。そのコンバースの秋冬リコメンドモデルは、定番モデルに現代のトレンド、機能を上手く取り入れた3つのパック。トレンドカラーをアレンジしたもの、厚底にフォーカスしたもの、スエードに撥水加工が施されたものなど、バリエーション豊かにラインアップ。話題のブランドやアーティストとのコラボレーションモデルも併せて紹介する。
CRIMSON RED PACK
CONVERSE 2022 FALL / WINTER
ONE STAR J EB LEATHER
¥26,400
ALL STAR 100 CRIMSONRED HI
¥8,250
JACK PURCELL CRIMSONRED RH
¥8,250
トレンドカラーに注目した「クリムゾンレッド パック」は、定番モデルの随所にクリムゾンレッド(深紅色)が施されたカラーアレンジモデル。ベースモデルとなっているのは、写真上から、シボ感のある柔らかな風合いのレザーを採用した日本製のワンスター、撥水キャンバスを使用したオールスター 100、ジャックパーセルのディテールアレンジモデルとなっている。(11月発売予定)
PLATFORM PACK
CONVERSE 2022 FALL / WINTER
ALL STAR 100 TREKWAVE MN HI
¥13,200
ALL STAR 100 CHUNK Z SHIN-HI
¥10,450
人気の厚底アイテムにフォーカスした「プラットフォーム パック」。写真上のモデルは、オールスターにトレッキングシューズをモチーフにボリュームのあるアウトソールを合体させて、シューズ全体をモノカラーにまとめたモデル。(11月発売予定)。写真下は、丈の長いアッパーや厚みのあるラグソールを採用したことでブーツライクに履くことができるオールスター 100のアレンジモデル。
WV SUEDE PACK
CONVERSE 2022 FALL / WINTER
ALL STAR 100 WR WV SUEDE HI
¥17,600
ALL STAR COUPE WR WV SUEDE SIDEGORE
¥17,600
WV(ウルヴァリン) スエード パックは、環境に優しい製法の撥水加工が施された上質なウルヴァリンスエードを使用したパック。写真上はオールスター 100になめらかな質感のスエードを落ち着きのあるカラーで採用したモデル。写真下は上品なデザインと撥水機能を併せ持ったオールスター クップモデル。(11月発売予定)
COLLABORATION
CONVERSE 2022 FALL / WINTER
ALL STAR 100 L.L.Bean HI
¥12,100
ALL STAR ANGEL BLUE CHUNKYLINE HI
¥15,400
CS LOAFER SK TOYA HORIUCHI +
¥16,500
話題のブランドやアーティストとのコラボレーションモデル。写真上は、オールスター 100をベースモデルに米国発の老舗アウトドアブランド、エル・エル・ビーンとの第2弾モデル。写真中は、1990年代後半から2000年代前半にかけて、小中学生の女子を中心に人気を博したエンジェルブルーとのコラボレーションモデル(11月発売予定)。写真下は、コンバース スケートボーディングの+シリーズをベースに、ニューヨークを拠点に国内外で活躍するグラフィックアーティスト、トウヤホリウチ氏とのコラボレーション第2弾モデルとなっている。(11月発売予定)
INFORMATION
コンバースインフォメーションセンター
0120-819-217
converse.co.jp