2023 | 04.12 | Wed | 08:01

via SHOES MASTER Co-Founder of Allbirds Interview with Tim Brown

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SHOES MASTER Vol.39
102-105_page
Allbirds
Photo: Soma Doi(STUH)
 
オールバーズといえば、
本誌最新号で創業者の1人である
ティム・ブラウン氏にインタビュー取材している。
その模様を紹介。
 

Tim Brown(Allbirds CEO)
 

Better things in a better way “SUPER NATURAL” by Allbirds
Co-Founder of Allbirds Interview with Tim Brown
 
スタートからわずか7年で、世界中から支持を集めるブランドに成長したオールバーズ。そのオールバーズの創業者の1人であるティム・ブラウン氏が急遽来日した。ティム氏は、プロサッカー選手としてニュージーランド代表の副キャプテンを務めた実績を持ち、選手時代に感じた“違和感”から生まれたブランドがオールバーズであるという。ティム氏の待つオールバーズ丸の内を訪ねた。(インタビュー取材:2023年1月26日)
 

東京について

–––今回の来日の目的を教えてください
来日は3回目で、コロナの影響で約3年振りになります。目的は、ジャパンチームのスタッフと直接会ってのミーティング、それと個別に話もしたくて。自分にとって日本は特別な国で、来日すると毎回インスピレーションを得られるので今回もすごく楽しみにしていました。オールバーズのデザイン哲学は、日本の美意識と共通点が多く、いつ来てもいい刺激になっています。

–––2020年1月に日本初上陸したオールバーズは大変支持されています
ありがとうございます。上陸当初から支持を得られたことを大変うれしく思います。日本のお客さまは、オールバーズのブランドミッションや、その根底にある考え方などにも共感してくださって商品を買っていただいていると感じでいます。それはとてもありがたいですし、まだこれからももっと知っていただきたいと思っています。

–––3年振りとなる東京の印象を教えてください
サンフランシスコ(本社)は暖かいけど、冬の東京は冷蔵庫のように寒いです。でも東京では大好きな大塚製薬のポカリスエットが毎日飲めるのが楽しみでやっぱり美味しかった(笑)。来日したばかりですが、昨日はちょっと時間が取れたのでイッセイ ミヤケやコム デ ギャルソンのお店に行ってきました。両方とも高級ファッションブランドですが、根底にあるデザインや美意識はオールバーズと共鳴するところが多くありました。

–––東京はオールバーズにとって、世界の中でどういうポジション、役割に位置するのでしょうか?
東京はすごく重要なマーケットです。本国アメリカと、私の母国ニュージーランド以外で早い段階で進出した場所ですし、デザインのトレンドなど、世界のお手本になるマーケットだと思います。また、お客さまの目が肥えていて、クオリティに対する要求が高い。だから、全体的なことだけでなく、しっかりディテールまで吟味してシューズを購入する。そういった点で、東京で成功すれば、おそらく世界のどこの国でも成功できると思います。そのくらい東京、日本を重要なマーケットとして捉えています。
 

プロダクトについて

–––ティムさんが考える他ブランドにはない「オールバーズのプロダクトの魅力」とは何でしょうか?
一言で言えば、Super Natural Comfort(スーパーナチュラルコンフォート)という哲学があることです。それは3つの哲学から構成されていて、1つ目は、ミニマムなデザイン。日本の美意識と共通する引き算の美学というか、色々なモノを足すのではなく不要なモノはそぎ落としていくという。それがオールバーズのデザインの根底にあります。2つ目は、天然素材のイノベーションをけん引していること。現在、多くのスニーカーは化学繊維やプラスチック素材で作られていますが、地球環境を踏まえて自然への回帰を重視しているオールバーズは、天然素材をふんだんに使ったシューズを提供しています。3つ目は、快適性(履き心地)。皆さんがシューズを選ぶ時には、履いてみて快適かどうかをチェックされると思いますが、快適性だけを謳ったシューズはデザイン的にはイマイチだったりすることもあると思うんです。その点オールバーズは、ミニマムなデザインと天然素材のイノベーションを組み合わせ、快適に履けるシューズを作っています。それが他ブランドにはないオールバーズの魅力になっていると思います。

–––ティムさんがプロダクトを作る上で一番大切していることは何ですか?
シューズ業界はこれまで50年かけて、化学繊維素材、プラスチック合成素材を一生懸命開発してきました。けれどもこれからは、地球環境の状況を踏まえて、全く違う方法で商品を作ることが大切な時代になっていると思います。ただ我々は、サステイナブルだけを謳ったブランド、サステイナブルだけを謳ったシューズには絶対にしたくないんです。シューズそのものに良さがないと、いくらサステイナブルって謳ってもお客さまは買ってくださらないので。まずはお客さまにとって魅力のあるシューズを作ること。それを一番大切にしています。ただ、その魅力の中に「サステナビリティが入ってないと絶対に魅力的にはならない」と思います。

–––サステイナブルなシューズブランドとしては先駆者ですよね
ありがとうございます。「確かにシューズの作り方を変えていく」ことに関してはリーダーシップを取っていきたいですが、我々もまだまだ模索中で全ての答えが出ていない状況にあります。結局、シューズというものは美しさや、クオリティ、そのシューズから得られる体験が伴っていないと、お客さまには響かない。そこをキチンと押さえていくことが大切で、シューズの作り方を変えるのと同時に、お客さまのニーズを追求して、改良していくべきだと思います。

–––オールバーズをどんな方に履いて欲しいですか?
グローバルな視野を持って、自らと社会全体の健康、ウェルビーイングを意識して、一人一人が健康でウェルビーイングである状態が、社会全体を良くする方法だと理解している方。現在起きている気候変動に対して問題意識があって、日々自分たちが使う商品、サービスなどはそういった観点から選ぶという意識を持っている方。あと、ご自身にクリエイティビティがあって、商品の価値、商品を見る目、デザインが好きで独自のスタイルを確立していらっしゃる方。いっぱい言いましたけど、最後にポカリスエットが好きな方(笑)。
 

リコメンドモデル

–––オールバーズをはじめて履くという方にお勧めのモデルは?
これから初めてという方には、やはりウールランナーがお薦めです。オールバーズ第1号のシューズで、米国『TIME』誌で「世界で最も快適なスニーカー」と言われた一足です。アッパー素材はとても柔らかく、温度調節機能や吸湿性を備えているスーパーファイン メリノウールで、ご自宅の洗濯機で洗っていただけます。
 

Wool Runner
¥15,000
Wool Runner ¥15,000https://www.allbirds.jp/products/mens-wool-runners
 

–––ティムさんの「マイベストオールバーズ」教えてください
まずは先ほどお勧めしたウールランナー。次は、あらゆる路面や天候に対応するオールバーズ初のトレイルシューズ、ザ トレイル ランナー SWT(写真左)。ライトブラウンとブラウン、ブラックのコントラストがすごく素敵で気に入っています。そして今一番気に入っているのは、ウールフライヤー ミズル(写真右)。今、僕が履いている天然素材をベースにして作られたモデルで、普段履きはもちろんウォーキング、スポーツでも使えるシューズです。個人的にかなり自信を持っているモデルで、さっきお話した3つの哲学である「ミニマムなデザイン」「天然素材」「快適性」のバランスが非常に良いオールバーズらしい一足といえます。天然素材のウールは、今の東京みたいに寒い日でも暖かい。気温に左右されないし、通気性もあり耐水性もある。あと、ミッドソールにはSwiftFoam™️を使っています。これはオールバーズが投資して研究開発し、天然素材でありながら廃棄物ゼロで作った特許技術です。ウールフライヤー ミズルは、そういった努力の結晶です。
 

Trail Runner SWT ¥17,000
https://www.allbirds.jp/products/mens-trail-runners-swt

Wool Flyer Mizzle ¥23,500
ttps://www.allbirds.jp/products/mens-wool-flyer-mizzles

 
今後について

–––オールバーズ全体としての今後の展開を教えてください
100%ヴィーガンのプラントレザーを使った天然素材のプロダクトを2月から日本で発売しました。これに関しても過去数年、かなり投資をして、研究開発を重ねて作った素材になります。今後は、具体的なプロダクトと並んで天然素材のイノベーションをどんどんけん引していき、快適性をさらに追求したい。単なるお洒落なスニーカーじゃなくて、パフォーマンスが求められるスニーカーに適した素材を天然素材のイノベーションで証明する。大変でもチャレンジして、その壁に立ち向かって達成したいです。それと同時に、消費者の皆さんに対しても天然素材の良さと、カーボンフットプリントを啓蒙して、環境に関する共通認識を広めていきたいと思います。
 

Plant Pacer ¥18,500
https://www.allbirds.jp/products/mens-plant-pacers

 
 

Allbirds Marunouchi(オールバーズ丸の内)
東京都千代田区丸の内3-4-1 新国際ビル1階 105区
11:00 ~ 19:00 (不定休)
 

 
INFORMATION
Allbirds原宿 0800-080-4054 
https://www.allbirds.jp/

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